HIKO日記

ちょっとアカデミックな風味を加えて…

チュラロンコン大学COMMDE | デザイン系の学生が不眠不休なのは万国共通!?

こんにちは!Hikoです!
私は8月より日本の大学の交換留学生として、チュラロンコン大学建築学コミュニケーションデザイン学科(通称:COMMDE)に在籍しています。
COMMDEでの授業が始まり6週間がたちました。Studio in Design and Communicationの最初のプロジェクトが終わり、Graphic Design Material and Processesでも課題が複数出題され始めました。同時に日本からのクライアントワークも続けているため、比較的多忙の日々が続いており日々の生活が充実しています。
また、9月18日に成田からバンコク渡航しました。14日間の隔離も必要で、ホテルの部屋から一歩も出られない日々が続きます。
今回は、「14日間の隔離生活」「履修している授業」の2つに焦点を当てていきたいと思います。

14日間の隔離生活

タイでは、海外からの渡航者に対して14日間の強制隔離が行われます。プーケットサンドボックスなど、隔離なしの仕組みなどが施行されていますが、2021年9月時点のバンコクの入国には、ワクチン接種の有無にかかわらず隔離が必要となります。

通常の入国と異なるシステムを使い、提出しなくてはならない書類も多いため、事前準備にかなり手間取りました。実際に飛行機に搭乗する際も自分の書類が本当にあっているかどうか、また、なにか足りないものがあるのではないかと強い不安感に襲われました。(なんとか無事に入国審査も通り抜けることができました。)

早速、隔離期間の話をしたいのはやまやまですが、空港での驚きの出来事も話さずにはいられませんので、成田から順に話を進めていきます。

空港についての小話

私が渡航する際の成田空港は人が非常に少なく、「これがニュースで見る誰もいない成田か・・・」と思わず感動してしまいました。空港内の特にスタバには多少人はいましたが、コロナ前と比べると明らかに少なかったです。

人が少ない分、荷物・持ち物検査は非常にスムーズで、歩く時間を含め搭乗口まで10分ほどで到着できました。荷物検査時は私一人しか客がおらず、X線検査後の荷物の収納をすることができました。(荷物検査の時、次の人に迷惑にならないよう、焦りますよね(笑)。)

私の搭乗した便は私含め20人程度?しか乗っておらず、座席を非常に広く使うことができました。CAの方もあまりに人が少ないため、食事を一人ずつおぼんで直接運んできてくれました。

バンコクについてからも驚きの連続です。空港には私たちの便の搭乗客を含め誰もおらず、空港職員は警察官を除き全員がガウンを着用した厳戒態勢でした。また、なぜか職員は男女ともに以上に細身で、ちゃんと食べているか心配になりました。タイの食事は日本食よりヘルシーなのかもしれません。また、なぜ警察だけがガウンを着用していないのか非常に不思議でした。

ホテルでの生活
入国審査も無事終わり、次はホテルに向かいます。ここでも、スタッフは全員ガウンを着用しており、感染防止対策のためかほとんど会話をしませんでした。車の中も、後部座席と運転席がアクリル板で隙間なく覆われており、声も通さないほどです。いくらホテルを予約し、迎えが来るからと言って、異国の地で誰かわからない人の車に一言も話さず一時間以上移動するのはなかなか恐怖を感じます。
ホテルに到着すると、ホテルに関する簡単な説明を受け、すぐに部屋に案内されました。部屋は非常に広く、そこそこきれいだったのですが、においがきつく初日はなかなか眠れませんでした。においが苦手な方は、アロマディフューザーを持参するか、マリオットなどの高級ホテルに宿泊することをお勧めします。
とはいえ2・3日もすると徐々に慣れ、気にならなくなります。日がたつにつれ気になるのは、掃除をすることが難しい点と洗濯が手洗いになってしまう点にあります。前者に関しては、ハンディモップを持参したためある程度解決できましたが、選択については、手洗いの経験が全くなかったため、少し苦労しています。洗剤は必ず持っていきましょう。
食事については、正直に言ってしまえば微妙です。特にタイ米が微妙で、私の実家で作るコメが恋しくなります。とは言え、日本の中でも特に良い環境で作っている実家の岩船産コシヒカリと比べても…とは思いますね(笑)。
隔離期間中特に困ったのがシャンプーです。ホテルのシャンプーが私の髪質に合わず、隔離期間中は紙がバキバキでした。髪質に気を付けたい方は必ずシャンプーを持参しましょう!
隔離期間中の唯一の楽しみは、実はPCR検査でした。私のホテルには、あるものの開けることができないため、外の空気を吸える唯一の機会はPCR検査の時でした。とは言えこの特殊な環境での生活を、潜水艦での作戦行動中と思い込み、それはそれで楽しく生活できています(笑)。

 

履修している授業

Studio in Design and Communication

Studio in Design and Communicationは、出国する週(5週目)に最初のプロジェクトが終了しました。担当講師はPat laddaphanという方で、Studio150というデザインスタジオを設立し、活動しています。気になる方は上記リンクから確認してみてください。

前回も少し説明しましたが、プロジェクトのスケジュールを書きたいと思います。

1週目:チュートリアル&第1課題説明

2週目:第1課題発表&次の課題発表

3週目:第2課題説明&アイディアスケッチ

4週目:進捗発表

5週目:最終課題講評

第1課題は前回説明した通りなので、今回は第2課題について書いていきます。

第2課題はA2サイズのポスター形式での百科事典作るというものでした。各学生がお互いに自分の身の回りにあるものを言い合い、それをテーマにポスターを作ります。説明はさておき、私が制作したポスターは下記の通りです。

私はBook(本当に名前?)という学生からハサミを指定され、ハサミをテーマとしてポスターを制作しました。ハサミをテーマとしたポスターを作るとは言っても、作り方や種類、用途など様々な視点からハサミをとらえることができます。その中で私は、美容師のハサミにテーマを絞りました。

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なんだかんだ言って、グラフィックデザイン領域において、スケッチから最終アウトプットまでを一貫して行ったのは多分これが初めてでした。グラフィックデザインのスケッチってどんなものかがわからないながら、何とか先生とコミュニケーションをとりながら進めました。

制作過程の中で常に指摘されたのが、「印刷した結果を創造しろ」とのことでした。スケッチやリサーチの段階で、そのアイディアはA2サイズのポスターで適切な量か、適切な表現かを常に考えることが求められました。また、目を引くような面白いアイディアも考えなければならず、試行錯誤を何度も繰り返しました。

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今回の課題で特に難しかったのは、色の使い方です。そもそものデザイン案として、モノクロで進めようと考えていましたが、先生に少しは色を使いヒエラルキーを作ったほうがわかりやすいと指摘され、わからないながらも試作を繰り返しました。

この段階では色を使用しておらず、モノトーンでの表現をしていました。90%の完成度から100%に持っていくのは、国を問わず苦労するものですね(笑)。

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最終的なデザインはこちらです。美容師が使うハサミの種類の特徴を示し、その効果と切ることができる紙の量を一目でわかるようにしています。この作品は、ちゃっかり優秀作品に選ばれてしましました(笑)。

※Featuresのスペルが間違っていますが、最後はちゃんと直しました(笑)。

Graphic Design Material and Processes

リノカット

Graphic Design Material and Processesは、複数のプロジェクトを同時に進めています。最初のプロジェクトのリノカットは、出国前に完成させ、提出しました。最終成果物は下記のとおりです。

この作品では、各学生が英語の文字を一つ与えられ、その文字を含む食品をテーマにグラフィックをつくるというものでした。私は運が悪く「x」が与えられ、食品選びから非常に苦労しました。皆さんはxがつく食品をすぐに思い浮かべられますか(笑)。

そんな中で、私はキシリトールガムを選びました。キシリトールガムはxから始まるれっきとした食品です!

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ドライポイント

ドライポイントは、日本では銅版画などで知られています。彫った部分がインクの載る箇所になる技法で、ほかの技法に比べ細かい表現をすることができます。

このプロジェクトでは、有名なアーティストのポートレート作品を一つ選び、その作品と同じ構図かつなるべく似た衣装を着て自身を撮影し版画にするというものです。まだ、スケッチの段階で、見せられるものはありませんので、次回以降紹介したいと思います。

バインドエンボス

このプロジェクトでは、紙に凹凸をつけ表現する技法です。一般にエンボス紙と呼ばれるもので活用されている技法と同じものなります。

このプロジェクトでは、自分の名前の文字から着想を得たグラフィックを制作するというものです。私は名前が板垣ですので、ITGKの4文字を使いグラフィックを作りました。このプロジェクトでは、案が出すぎて絞り切れず、これはこれで困っています。

※黒がへこむ箇所、灰色が何もしない箇所、白が盛り上がる箇所となります。

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まとめ

以上です!隔離期間とは言え、先生や学生が非常にやさしく接してくれているため、何とか日々の課題、生活をこなすことができています。コロナ禍においても、何一つ不自由なく学習を続けられることに、とても感謝しています。

これからも、頑張って学んだことを自分の血肉に変えていきたいと思います!

チュラロンコン大学建築学部コミュニケーションデザイン学科(通称:COMMDE)の授業が始まりました!

こんにちは!Hikoです!
私は8月より日本の大学の交換留学生として、チュラロンコン大学建築学コミュニケーションデザイン学科(通称:COMMDE)に在籍しています。COMMDEはタイのバンコクに位置している、コミュニケーションデザインに関する国際プログラムを提供している学科です。
この記事では、「チュラロンコン大学建築学コミュニケーションデザイン学科(通称:COMMDE)とは?」、「履修している授業」、「3週目だけど実際どんな感じ?」の三つをテーマに書いていきます。
 

①:チュラロンコン大学建築学コミュニケーションデザイン学科(通称:COMMDE)とは? 

 

www.youtube.com

チュラロンコン大学は、タイの東大と言われるタイ国内で最難関の大学と言われています。医学部から工学部、文学部まで様々な学部が所属しており、その中の一つにCOMMDEもあります。

チュラロンコン大学に所属する学生は、基本的に男女ともに制服を着用することを義務付けられていますが、COMMDEは国際プログラムということもあり、私服で問題ありません。因みに、このチュラロンコン大学の制服を着て街を歩くと、尊敬されるような感じで見られるらしいです(笑)。

COMMDEは建築学部に所属していますが、実際は建築とは全く関係のない専攻で、どちらかとグラフィックデザイン領域に近いことを学習します。グラフィックデザインやイラストレーションを中心に、ブランディング、UI/UXデザイン、アニメーション、インスタレーションについても学ぶことができます。(なぜインスタレーションが入っているかは謎です…)講師陣は、国際プログラムということもあり、ロンドン芸術大学アイントホーフェン・デザインアカデミー出身など海外のトップデザインスクールを卒業し、タイで活動している人が多くいます。

COMMDEには各学年平均で、50人ほどの学生が在籍しており、私の所属する学年では、私(日本人)とキルギス人一人、中国人一人を除きすべてタイ人です。

ちなみに、ほとんどの学生がネイティブと間違えるくらいの英語力を持つ人も多数います(笑)。

 

②:履修している授業

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出典:Prep. Courses Showcase, COMMDE, https://commde.com/

 私が今学期履修している授業は、「Studio in Design and Communication」と「Graphic Design Material and Processes」の二つです。

Studio in Design and Communication

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初めの課題で作ったインフォグラフィックス

この授業は、ブランディングの基礎となるグラフィックデザインを学習します。クラスは3つに分かれて行われ、「インフォメーションデザイン」「アイコンデザイン」「レイアウト・タイポグラフィ」の3分野を順番に学びます。

私の所属するグループは「インフォメーションデザイン」をはじめに学習しています。データとインフォメーションの違い等の基本的な内容から始まり、早速課題もいただきました(笑)。初めの課題は肩慣らし的意味合いもあり、自分たちで気になるトピックのデータを集め、それを見やすくリデザインし、インフォグラフィックスを制作するものでした。期間は一週間と比較的短く、うまくまとめ切れない学生もちらほら見えましたが、学生全体の理解力は非常に高く、さすがタイのトップの大学だと言わざるを得ませんでした。

私は、SNSが精神面に与える影響についてのデータを集め、それに関するインフォグラフィックスを制作しました。漫画の小回りを取り入れたデザインにしたものの、トンマナの設定やコマの外のデザインに関して詰めの甘いところがあり、多くの改善点を得られました。

Graphic Design Material and Processes

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この授業は、版画について学ぶ授業です。日本の古典的な版画からドライポイント、ステンシルなど様々な技法を一通り学びます。しかし、人数が多くこの授業は比較的ゆっくりと進めており、やっとアイディアを考え始めた段階です。この授業のTAや先生は、授業が始まるしばらく前から、何を買えばいいか等いろいろ教えてくれ、とてもやさしかったです(笑)。

授業の詳細については今後、記事にまとめていきたいと思います。

③: 3週目だけど実際どんな感じ?

授業が始まり3週目が経ちましたが、特に問題なく進めています。タイのコロナ感染者数は1日2万人近い数字で、感染拡大地域に緊急事態宣言・ロックダウンが施行されていることから、授業は完全オンラインで行われています。

授業形式はオンラインであるものの、Google Classroomやラインなどを駆使して授業が行われているため、情報の共有は非常にスムーズです。唯一の問題点は、たまに音声が非常に悪いことがあり、非常に英語が聞き取りづらいことと、他の学生の作品を生で見ることが出来ないです。画材を使った制作も今後行われますので、そういう場合に他の学生の作品を直接見てみたくなります。

今後、バンコクへ学期途中から行くかどうかを検討していますが、その決断はまだ先になりそうです。
短い記事ですが、今日はこの辺で切り上げたいと思います!それでは、また次回!